課題:現在の経済モデルにおける価値体系は、過剰消費を促進し、自然との関係性 を希薄にします
自然資源の採取を抑え、より思慮深い消費のありかたを導くには?
資源の採取を抑える
私たちは、量が多いほど良いと考え、豊かさと利便性に慣れてしまいました。世界の多くの地域では、商品の利便性や価格・質・衛生面が消費者の行動に大きく影響します。「少ない量でも満足できる」という質素 な暮らし方は、世界的にはさほど浸透していませんが、それを教えてくれるコミュニティは至るところにあります。現在の過剰消費の傾向は、 過剰な生産・浪費、自然資源と生息地の搾取・劣化をもたらします。
伝統的な習慣や視点には、サステイナブルな暮らしを促進するヒントがありますが、私たちはその価値観を失いつつあります。「昔ながらの暮らしの知恵」といえるものは、次第に姿を消しつつあります。例えば、 現在の消費は物を修理するよりも、「古いものを捨て、新しい物を購入する」傾向にあります。それは同時に、ものを再利用したり修復する技術や習慣を失なうことを意味します。
多くの場合、廃棄する方が安上がりなため、余った食料は再分配や保存されることなく廃棄されてしまいます。
サステイナビリティや廃棄物の話題は、欧米中心の視点で語られることが多く、それは世界のすべての人々が実現できるわけではありません。しかし、誰でも実現できる方法はなにかしら見つけられるはずです。今 一度、私たちはそのような廃棄物を排出しないライフスタイルを考える必要があります。
GET INSPIRED
TOTOMOXTLE
プロダクトデザイン | メキシコ
Totomoxtleはメキシコの宝であるトウモロコシの殻を利用した、新しいベニア(木質)素材です。深い紫色からソフトなクリーム色まで、メキシコの在来種のトウモロコシの多様性を教えてくれます。天然でありながら色鮮 やかに育つトウモロコシは、この国の豊かな 食文化に欠かせない存在です。しかし、このプロジェクトは単にその美しさ に焦点を当てているのではありません。 Totomoxtleは、メキシコの伝統的な農業の再生、新しい手工業による貧しい農民たちの収 入確保、将来の食料安全保障を念頭に置いた生物多様性の保全などを実現しています。
CLUB DE REPARADORES
サービスデザイン | アルゼンチン
Club de Reparadoresは、首都ブエノスアイレスで、責任ある消費と持続可能性を目指して、製品の修理を促進する活動。このクラブはボランティアの協力やコラボレーションを通して「修理ミーティング」を開催。あらゆる年齢層や職業の人々が、モノの寿命を延ばすノウハウやツールを共有します。この活動は2007年にアムステルダムで始まった Repair Cafeのコンセプトから着想を得ています。
MYMIZU
サービスデザイン | 日本
mymizuは、ペットボトルの水を購入せず、 マイボトルに給水できるよう、街中の給水スポットを検索可能にした日本初のスマホアプリです。給水スポットの情報はクラウドソーシングで提供されています。また、ユーザーの貢献度をペットボトルの節約量や二酸化炭素の削減量などで可視化し、ユーザーの消費パターンの転換へのモチベーションを高めて います。
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長く使い続けることのできる、 あるいは自然のシステムの再生につながる、製品や材料の生産とは?
責任を持って廃棄、資源化するには?